社労士・兵藤恵昭の独り言

団塊世代の社会保険労務士・兵藤恵昭のブログです。兵藤社会保険労務士事務所・内容は雑多です

2022-01-01から1年間の記事一覧

ジョブ型雇用制は日本で可能か?

「人事の組み立て・脱日本型雇用のトリセツ」海老原嗣生著・日経BPマーケティング2021年4月発行 著者は1964年生まれ、リクルートエイブリック入社後、人事コンサル会社を設立した雇用ジャーナリストである。 2020年1月、経団連は報告書を発表「日本型雇用制…

ジョブ型雇用とは何か?

「ジョブ型雇用社会とは何か・正社員体制の矛盾と転機」濱口桂一郎著・岩波新書2021年9月発行 著者は1958年生まれ、労働省入省、現・労働政策研究研修機構労働政策研究所長。 著者は、2009年「新しい労働社会・雇用システムの再構築」岩波新書で、日本労働社…

個人労働契約による家事労働は労災適用外!

家事労働業務による過労死の労災申請認めず。家事労働は、個人との労働契約のため、労働基準法規定で、労災適用除外の論理。杓子定規な判決である。 一方で、一体となって実行された介護業務は、法人との労働契約のため、労災適用可能も、介護従事時間は少な…

再考「日本においてジョブ型雇用は可能か?」

雑誌・エコノミスト今週号に神戸大学准教授・江夏幾太郎氏が「ジョブ型に向けた人事改革のカギ」記事が掲載されている。 ジョブ型人事のポイントは「なにができるか?」でなく、「なにをさせるか?」に着目する点にあると言う。ジョブ型の人事施策の設計・運…

ゾンビ企業が増加している!

コロナ危機の中小企業向け「ゼロゼロ融資」でゾンビ企業の延命が進んだ。 ゼロゼロ融資で返済は3年間据え置きが多い。2023年からはその返済が開始される。 ゾンビ企業の返済不能となる中小企業が増加するだろう。 (ゾンビ企業の定義と企業数) 業歴10年以上…

マンションの「二つの老い」

「60歳からのマンション学」日下部理絵著・講談社+α新書2022年4月発行 著者はマンション管理士・管理業務主任者試験合格、管理会社勤務を経て、現・マンショントレンド評論家。「負動産マンションを富動産に変えるプロ技」の著書がある。 最近、子供が自立…

時間外・深夜・休日労働の時間計算における端数処理

2022年6月、外食産業大手「すかいらーくホールディング」のパート・アルバイト従業員の賃金計算で「5分未満切り捨て処理していた」ことが問題となった。 会社側は労基法違反を認め、今後は1分単位に変更、約9万人の2年間の未払い分、16~17億円を支払うと報…

コロナで働き方は変わったか?「仕事から見た2020年」

「仕事から見た2020年・結局、働き方は変わらなかったのか?」玄田有史・萩原牧子編・慶應大学出版会2022年3月発行 編者・玄田は1964年生まれ東大教授「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」の著書がある。萩原は1975年生まれリクルートワークス研究所…

働かないオジサンが悪いのか?働かせない経営者が悪いのか?

「働かないおじさんが御社をダメにする・ミドル人材活躍のための処方箋」白河桃子著・PHP新書2021年3月発行 著者は1961年生まれ、住友商事入社後、リーマンブラザーズ、クレティ・スイス等外資系企業に勤務したジャーナリストである。 著者は、今回のコロナ…

いじめ、嫌がらせは職場体質に問題がある!

「大人のいじめ」坂倉昇平著・講談社新書2021年11月発行 著者は1983年生まれ、NPO法人POSSEの理事、ハラスメント対策専門家である。「ブラック企業VSモンスター消費者」の著書がある。 本書は「職場いじめ」の現場報告である。著者はハラスメント現場を長く…

労働運動が犯罪行為になる?

「賃金破壊・労働運動を犯罪にする国」竹信三恵子著・旬報社2021年11月発行 著者は朝日新聞記者・編集委員(労働担当)を経て、現在和光大学名誉教授。「企業ファースト化する日本・虚妄の働き方改革を問う」岩波書店の著書がある。 本書は、産別労組である…

格差克服の「社会エレベーター」とは何か?

2022年1月5日日経新聞に「成長の未来図・格差克服の社会エレベーター」の記事が掲載された。翌日「羽鳥慎一モーニングショー」でも玉川氏が話題とした。記事によると 「社会エレベーター」とはOECD(経済協力開発機構)の指標の一つ。社会の最貧層(全体の下…