2024年2月22日株価は過去最高値を付けた。終値はバブル期1989年12月29日38,915円を超え、39,098円である。これは34年振りである。
他国の株価は34年間に何倍になったのか?
米国14倍 ドイツ9倍 英国3倍 韓国3倍に増加した。
米国株価の値上がりは異常、バブルと言うより、カジノ資本主義と呼ぶべきだ。資本主義の実態が、実体投資から金融投資化し、金融資本主義そのものだ。
実体経済が金融に追いつかない。
日本経済が停滞し、米国の後を追っている状況を表している。日本経済は実質成長せず、円安利益依存と株主還元経営が企業成長を阻んでいる。
(名目GDP比較)
1989年と2023年の各年の名目GDPの推移を見てみよう。
自国通貨建ての名目GDPを比較する。ドル換算より実質を示すと思われる。
1989年 2023年 増加倍率
日本 430.0兆円 588.5兆円 1.37倍
米国 5.6兆ドル 26.9兆ドル 4.80倍
英国 0.61兆ポンド 2.24兆ポンド 3.67倍
独国 1.21兆ユーロ 4.07兆ユーロ 3.36倍
韓国 165.8兆ウオン 2,227兆ウオン 13.4倍
韓国の成長はアジア通貨危機から回復、半導体、自動車産業の発展が寄与している。
米国、英国、独国など先進国は3~4倍である。日本は半分以下である。
(日本株式市場の変化)
日本の株式市場ではこの34年間で大きく変化した。1989年と現在とその変化を見てみる。
売買における外国人投資家割合は当時の10%から60%へ増加した。
株式保有での外国人投資家割合は当時の5%から30%へ増加した。
今後の日本株式市場の動きは、日本企業の動向より、ドル円先物相場の動きなど、為替レートの動向に大きく左右されるかもしれない。
(株価上昇の理由)
日本の株式市場を動かしているのは外国人投資家である。故に米国の株式市場に大きく影響される。
中国の株式低迷から中国マネーなど、グローバルマネーが日本市場に流入している。これも株価上昇の原因であろう。
今年になってからの株価上昇は半導体企業や一部の企業の日経平均に占める割合が高いことによって、株価値上がりが助長されている。
特に半導体の東京エレクトロン、アドバンテスト、そしてソフトバンク、ファーストリテイリングの4社で値上がり幅の5割を占めている。
国内投資家、個人投資家による値上がりではないことに気を付ける必要がある。
いわば、ニュヨーク市場東京支部市場に近い状態である。