社労士・兵藤恵昭の独り言

団塊世代の社会保険労務士・兵藤恵昭のブログです。兵藤社会保険労務士事務所・内容は雑多です

日銀の低金利政策がスタグフレーションを招く!

春闘連合中間集計が出た。定昇込みで平均5.85%要求である。昨年より高く、予想の4.0%よりも高い。昨年春闘大手企業の実績が3.6%(中小企業は2.5%)昨年を上回る結果がだせるか?
現状、失業率2.5%、物価指数上昇2.0%。しかし実際の現金給与額は前年比1~2%増加でしかない。企業が残業を圧縮、規模縮小、IT導入省力化を進めているためだ。人手不足のなか、中高年人員整理も始まっている。
エネルギー価格上昇後、国民の物価ノルム(社会規範)は変化した。長期インフレ予想は従前の0.5%から1.0%に上昇した。日銀のマイナス金利解除も近く想定される。
 現在の自然利子率はゼロ%。中立金利=自然利子率+期待インフレ率(1%)から中立金利1%になる。政策金利理論値(テイラールール)は0.93%と言われる。現状の政策金利マイナス0.1%はかなり低金利である。
 
近年の研究で、「恒久的な低金利の継続は経済成長率低下を長期化させる」ことが実証されている。低金利政策のマクロ経済への影響の大きさを実感する成果である。
日銀は2%のインフレ目標が確実視できないとの理由で、金融緩和、低金利を継続する。マイナス金利解除後もゼロ%が精一杯だろう。一方でマンション価格は上昇し、円安も長期化、トヨタ、日産の輸出企業は利益がかさ上げされ、株価上昇で富裕層も懐が温かい。
このままでは日銀対応遅れが結果的に、しつっこいインフレと景気低迷の同時進行・スタグフレーションとなる可能性が強い。財政対策で金利を上げられないジレンマが、最終的に庶民に犠牲をしわ寄せさせる結果となっている。