著者は、今回のコロナ危機が日本企業の働き方のパラダイムシフトをもたらし、テレワークで昭和オジサンが押し流されたという。日本企業は「同質性」を生きがいとする。
同質性が企業組織を蝕み、生産性の低い「ミドルシニア」を表面化させた。
同時にそのミドルシニアを作り出したのが同質性を重視する企業構造そのものである。
「働かないおじさん」はその生産性に対して相対的に高い給与を受け取る。更にミドルシニアは多くのリスクも発生させる。
一つはイノベーションの停滞、二つは生産性低下、三つは忖度による不祥事の発生、四つは優秀な人材が出世しないこと。
これらは若手のモチベーションを低下させる。
今や「ミドルの働き方改革」が急務。日本企業の持つ過重労働の解消、労働力不足、ビジネスモデルの転換が急がれる。
本書は多くの企業でシニアの具体的活用事例を挙げる。
これらの企画、プロジェクトは若手、女性が中心メンバーで作成された。ここで言われるミドルシニアとは、1987年から1992年に入社したバブル世代である。
現在、50歳台、企業組織の中心にいる。人生100年時代で70歳まで働かされ、年金給付も厳しい世代である。
著者はこのバブル世代の一つ前の世代、ギリギリ逃げ切れる世代である。
高度成長、米国経営に追いつき、追い越せの考え方。米国の物まね、後追いからの脱皮が必要である。今こそ日本独自の企業経営の確立が必要ではないだろうか?
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