管理監督者については、三つの判断要素があります。
その判断基準を満たしていない場合、管理職であっても労働時間などの規定が適用され、時間外手当や休日出勤手当を支払う必要が生じます。
(判断要素とは)
- 経営者から管理監督、指揮命令にかかる一定の権限を委ねられ、自らの裁量で行使できること。
- 出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない
時間外でも対応が必要な場合があるため、出退勤時間も自らの裁量にまかされているほか、遅刻や早退による減給等がないこと。 - その地位にふさわしい待遇がなされている
管理監督者や経営に携わる部門の専門職は会社にとって重要な職務であるため、地位、給料その他の面で、一般社員より優遇されていること。
(業種による特殊判断要素)
多店舗展開する小売業、飲食業では、以下の要素もとで管理監督者性が否認される。
- 職務内容、責任と権限
・採用、解雇、人事考課、労働時間に関する実質的な責任と権限がないとき - 勤務態様
・遅刻、早退、労働時間に関して厳格な制限を受けているとき
・部下と同じ勤務態様となっているとき - 賃金等の待遇
・基本給、役職手当等の優遇措置がないとき
・1年間で支払われた賃金の総額が一般労働者より少ないとき
・時間単価がパート・アルバイトの賃金や最低賃金以下のとき
(管理監督者の四つ判断基準)
- 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有している。
- 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な責任と権限を有している。
- 現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないようなものである。
- 賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされている。
管理職の残業代の支払いについて正確に理解するためには、まず「労働基準法における管理監督者」「管理監督者の4つの判断基準」を理解する事が大切です。
下記の厚労省のパンフレットを参考にしてください。