社労士・兵藤恵昭の独り言

団塊世代の社会保険労務士・兵藤恵昭のブログです。兵藤社会保険労務士事務所・内容は雑多です

非正規労働者の解雇が増加している

最近、新聞でパート、契約社員のコロナによる雇止め失業者が10万人以上になったの記事があった。

野村総合研究所の調査によると、パート、アルバイトのうち、シフトが5割以上減少、かつ休業手当を受けていない人が増加している。解雇はしないが、実質失業状態にある。

これは企業側にとって都合の良い方法である。完全失業者は195万人いると言われる。上記の人も実質失業者である。表面上、数字は表に出てこない。

完全失業者195万人の内訳は、女性103万人、男性43万人、女性が男性の倍以上である。弱者の立場にある女性にしわ寄せがきている。

この理由の一つとして、政府も対策として、雇用調整助成金、休業支援金・給付金など制度手当しているが、利用者は少ない。広報不足と申請手続きの困難さにある。

もう一つ大きな理由として、明治から日本人にある「通俗道徳」の考え方である。

「通俗道徳の罠」とは、誰でも頑張って働き、倹約して貯蓄すれば、必ず経済的に成功できるという考え方である。従って、貧困は頑張っていないため。本人の努力が足りないとういう罠にはまっていく。

菅首相の「自助」の考え方、従来の「新自由主義」の考え方もこれと同じである。結局は弱者切り捨ての政策でしかない。

最後に、あまり報道されていないが、外国人労働者の解雇、留学生のアルバイト、雇用調整の問題である。

現在、日本在留外国人労働者は172万人。コロナの影響で2020年の増加率は4%、今まで数年間は、毎年10%以上増加している。内訳は家族身分資格が55万人、留学生資格外活動が37万人、技術実習生が40万人。出身はベトナムと中国が1位、2位を占めている。

外国人労働者は簡単に帰国もできず、収入減による生活苦に苦しんでいる。そのため、已む得ず犯罪へ向かう人もおり、治安問題として、今後、大きな問題になりかねない。